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懐中時計の時刻合わせ

時刻合わせの方法の種類

懐中時計は時代や時計の種類によって時刻合わせの方法がいくつかあります。

それぞれ動画を含めてご紹介します。

 

①ペンダントセット(リューズ引き)
ペンダントセット

腕時計でも一般的なリューズを引っ張って回す方法です。
懐中時計でも1900年以降くらいのものはこの方式が一般的になります。

リューズが上に引けるようになっているものはペンダントセットです。
急に力をかけすぎるとリューズが破損してしまう恐れがあります。
ですのでゆっくりと力をかけながら引っ張るようにしてください。
力加減とコツがわかってしまえば簡単です。

 

②レバーセット(剣引き)
レバーセット

ダイヤル側面の小さなレバーを引き出してリューズを回す方式です。
1900年頃の懐中時計や鉄道時計などによく見られます。

ダイヤル側面にあるレバーを爪で引っ掛けて引っ張り出します。
引っ張り出した状態でリューズを回すと時刻合わせできます。
レバーを引っ張り出すときはしっかり最後まで出してください。
まれに引っ張り出す方式ではなくスライドさせる方式もあります。

 

③ネイルセット(ダボ押し)
ネイルセット

リューズ近くにある小さなボタンを押しながらリューズを回す方式です。
ペンダントセットへの移行期である1890-1910年頃の時計に見られます。

側面にある小さなボタンを爪などで押しながらリューズを回します。
ボタンをしっかり押し込まないと時刻合わせができません。

④鍵合わせ(鍵穴)
鍵合わせ

リューズが普及する前の古い鍵巻き式懐中時計の時刻合わせ方式です。
時計の裏側にゼンマイの鍵穴とは別に時刻合わせの鍵穴があります。

ゼンマイを回すための鍵穴の他に時刻合わせのための鍵穴があります。
中心付近にある鍵穴が時刻合わせの鍵穴です。

⑤鍵合わせ(針直接)
鍵合わせ

針の中心に鍵を挿して直接回して時刻を合わせる方式です。
古い英国時計などに見られます。

 風防を開いて、鍵穴の中心に鍵を挿して直接回す方式です。
このタイプの針は針自体も太く溶接されていて強いものが多いですが
やはり文字盤や針を傷つけないよう慎重に回してください。

 

よくある質問

・リューズを回す方向は?

リューズを上から見て左回しで時刻が進む方向に回るものが多いです。
しかし懐中時計によっては逆になっているものもあります。

・時刻を戻すのは良くない?

基本的に時刻が進む方向に合わせたほうが良いとされています。
逆回しも可能ですが機械によっては部品を傷める場合があるようです。
しかし10分程度の微調整であれば経験上問題ないと思います。
ただしクロノグラフやカレンダーなど時刻合わせ以外の機能がリューズ
にある時計は時刻を進める方向のみで時刻合わせをしたほうが良いです。

・リューズの引きが硬いときは?

古い時計はまれにリューズの引きが固い場合があります。
少し回転させながら引くとスッと引けることがあります。
それでも引けない場合は時計店に修理を依頼してください。

・リューズが取れてしまったときは?

リューズは力がかかる部分ですので壊れやすく消耗品とされています。
また、壊れていなくともネジの固定や接着剤などで止まっているだけ
なので使っていると取れてしまうことがあります。
取れてしまった場合は時計と取れたリューズを持って時計店に修理を
依頼してください。

 

懐中時計の時刻合わせの方法は腕時計とは違うタイプがあります。
初めての方は難しく感じるかもしれませんが、慣れてしまえばスムーズ
できるようになりますので慎重になりすぎなくても大丈夫です。

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