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銀製品のお手入れ方法

銀製品の汚れの原因

銀は柔らかい金属ですので、スターリングシルバーなどの純度の高い銀製品は使っていると細かな傷がついて輝きがくすんでしまうことがあります。
100%の銀では柔らかすぎて加工が難しく傷も付きやすいため、銀製品は純度92.5%のスターリングシルバーや純度90%のコインシルバー、純度80%コンチネンタルシルバーなどが使われることがほとんどです。

また、銀製品は長い間使っていると黒ずんだように変色してしまうことがあります。
いぶし銀とも呼ばれその味わいを好む方もいらっしゃいますが、やはりカトラリーや装飾品などはシルバーのキラキラとした輝きを保ちたいものです。
この黒ずみはサビ(酸化)ではありません。銀は酸化しにくくバーナーで炙るなどしなければ錆びることはほとんどありません。

黒ずみの主な原因は硫黄と反応する硫化です。
硫黄分の多い温泉などにつけてしまうとすぐに黒ずんでしまいます。
温泉に入るときには銀のアクセサリーは必ず外すようにしてください。
逆に硫黄成分の入った入浴剤とお湯を使って「いぶし銀」の加工をする方法もありますがここでは割愛します。
日常でも空気や汗、水などに微量に含まれる硫黄と反応して徐々に黒ずんでしまいます。
しかし硫化による黒ずみはこの後に紹介する方法で簡単に落とすことができます。

もう一つの原因は塩素と反応する塩化です。
これは普通に使っていればほとんどつくことはありませんが、塩素系の漂白剤などを誤って使ってしまうとついてしまいます。
塩化による黒ずみは硫化のものに比べてかなり強力なのでなかなかとれません。
銀製品には塩素系の漂白剤を使わないよう注意してください。

 

日々のお手入れ

銀製品に皮脂や汚れがついているとそこに含まれる硫黄分と反応して黒ずんでしまいます。
これらの汚れを取る場合は中性洗剤やわらかいスポンジを使って洗ってください。
決してクレンザーや漂白剤、金だわしなどで磨かないようにしてください。
食洗機などを使うと銀製品同士がぶつかって細かな傷ができてしまうので手洗いが良いです。
洗ったあとはふきんなどでしっかりと水気をとってください。
布や革などが貼ってあったりして水洗いが難しいものについては、布で拭いて汚れをとってあげるだけでもかなり違ってきます。

しばらく使わない場合は、汚れをとった後に手ぬぐいのような柔らかい布や厚手のキッチンペーパー等にくるんで、ジップロックのような密閉性の高いものに入れてください。
乾燥剤を一緒に入れておくとより良いでしょう。
空気や水気にできるだけ触れさせないのがコツです。

使っているうちに細かなスレがついたり少し黒ずんでくることがあります。
軽いスレや黒ずみであればシーツの切れ端のような布で磨くだけでもかなりキレイになります。
動画で実際に磨いているところを御覧ください。


黒ずみのとりかた

しっかりと付いてしまった黒ずみは洗ったり布で磨くだけではなかなか取れません。
その場合は専用のクリーナーを使うことをおすすめします。

クリーナーには大きく次の4種類があります。

1.クリームタイプ

ポリッシュタイプとも呼ばれ、クリーム状で布などにつけて磨きます。
研磨力が高いのでしっかりと磨きたい場合におすすめです。
私はラッキーウッドのシルバークリーナーをよく使っています。


2.クロスタイプ

柔らかいフェルト地の布に細かな研磨剤が練り込まれています。
小さなアクセサリー等であればこのタイプが一番お手軽です。
100円ショップなどでも売ってますが、必ず銀製品用のものを使用してください。
当店でもHELIポリッシングクロスという商品を取り扱っています。

 

クリームタイプのクリーナーを使って、実際に純銀製のカードケースを磨いている動画です。

3.液体タイプ

チェーンや浮き彫り彫刻など布で磨きにくい場合に使います。
液剤に漬け込んで汚れを取るので奥まった部分の汚れを取ることができます。
また研磨剤での研磨ではないのでメッキでも剥がれてしまう心配がありません。
大きなものを磨く場合はかなりの量が必要となるのでアクセサリーなどの小物向けです。


4.スプレータイプ

食器や置物など大きな銀製品を磨く場合はスプレータイプのものが便利です。
柔らかい布に吹き付けて銀製品を磨きます。
変色防止剤が入っていて黒ずみにくくする効果があるものもあります。

 

銀製品の日頃のお手入れと、クリーナーを使った磨き方について説明しました。
銀製品はすぐに黒ずんでしまう印象を持っている方もいると思いますが、日頃のお手入れと黒ずんだときの磨き方を知っていれば、簡単に美しい輝きを取り戻すことができます。

 

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