英国以外の銀製品の刻印
投稿日: 投稿者:WATANABETAIGA
世界各国のシルバーのホールマーク
以前の記事で英国の銀製品のホールマークについてはくわしく説明しました。
英国銀製品のホールマーク(刻印)
その他の国の銀製品にもホールマークの制度があり刻印が押されています。
英国ほど細かい体系や制度の徹底がない場合が多いですが、代表的なものをご紹介します。
※銀の純度は1000分率(パーミル)で表現することが一般的ですので800(80%)などで表現しています。
フランス
フランスのホールマークの歴史も古く1275年にフランス国王フォリップ3世によって銀製品へのマークの打刻の勅命が出されています。純度は一般的に950(premier=ファースト)と800(deuxieme=セカンド)の2種類です。
時代によってマークが異なりますので1839年から1973年のものを紹介します。
ミネルヴァ(大きめのもの)
おでこの横に「1」の数字があるのが純度950
首の横に「2」の数字があるものが純度800
イノシシ・カニ(アクセサリーなどの小物)
パリのものはイノシシ それ以外の地方はカニ 純度は800
かなり小さいので見つけづらいです。
マーキュリー(輸出品)
フランス国外への輸出品につけられた刻印
純度は数字の「1」があれば950 数字の「2」なら800
男性・白鳥(輸入品)
フランス以外からの輸入品につけられた刻印
男性は大きめのもの 白鳥は小物
ドイツ
都市によって異なる刻印が使用されていましたが、1886年ごろに王冠に三日月のマークに統一されています。
純度は800が多いですが925などもあります。
マークの横に純度が数字で刻印されている場合がほとんどです。
スイス
1880年から1933年までは875以上(熊)と800(雷鳥)でした。
1933年以降は925(カモ)と800(雷鳥)になっています。
スイス製の銀側の懐中時計のケースなどによく刻印されています。
イタリア
1872年から制度化されていますが公式な刻印などはあまりなく、純度を示す数字のみが刻印されているものがほとんどです。
アメリカ
統一はされていませんが925スターリングシルバーのものには「STERLING」の刻印があるものがほとんどです。
まとめ
英国以外のホールマークは純度のみを示すものがほとんどで、製造年やメーカーなどまではわからないことが多いです。
英国のホールマーク制度がいかに厳格に運用され信用が高いことがわかります。
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